このフライングタクシーは電力でファンを駆動する方式で、機体重量750kgと軽量に作られています。開発に携わったのはマノーF1、エアバス、ボーイング、ロールスロイス、GEといった名だたる企業から引き抜いてきたエンジニア28人からなる技術チーム。
開発は英国ブリストルにあるVertical Aerospaceの拠点で、わずか1年で進められました。この映像までに、すでに十数回におよぶフル出力テストを実施していたそうで、映像で確認できる機体の挙動は非常に安定しているように見受けられます。ただし、この飛行は完全無人で行われ、オペレーターが遠隔操縦しているとのこと。
Vertical Aerospaceは、今後4年間で各種の試験と必要な認証の取得を完了させ、都市間を結ぶ短距離ルートでのフライングタクシー運行をめざします。さらにその後は長距離航行が可能な機体を開発し、チャーター用途にも守備範囲を広げて行く計画です。
フィッツパトリック氏は、このフライングタクシーは機体の設計、材料選定、エレクトロニクス、エアロダイナミクスといった開発作業全般にF1の開発プロセスを適用して行ったとしています。そして「これら技術を経験豊富な航空宇宙業界の技術者に受け渡すことで、われわれは21世紀の最先端の航空機を作り上げることができた」と語りました。
Vertical Aerospaceはすでに新しい機体の開発にも着手しており、すでに欧州航空安全機関(EASA)と型式認定のために取り組んでいるとのこと。フライングタクシー(ドローンタクシー)に関しては、安全性確保のためのいろいろな規制が掛けられていくことが予想されますが、英国の進行電力会社Ove Energy創設者でもあるフィッツパトリック氏はそれについても、すでに当局と協力して取り組んでいるとしています。
フライングタクシー分野にはすでにKitty Hawk、Lilium、Volocopter、Ehang、AirbusのVahanaなどといった企業が参入済み。まだ一般向けサービスを開始したところはないものの、競争はすでに始まっているようです。