動画で見られる自動運転バイクは、きちんとカーブを曲がり、停止、発進も卒なくこなします。ただし停止の映像では最初からスタンドが下りた状態で走って来ていたり、発進もまず人が手で支えた状態から、というところはお目こぼしください。
無人で走るバイクといえば、バレンティーノ・ロッシへの挑戦をぶち上げたヤマハのMotobotが思い出されるところ。Motobotはロボット風のフレームをバイクに載せ、その中に荷重移動機構やハンドル操作用のアクチュエーターなどを組み合わせていました。一方、BMW R 1200 GS ConnectedRideの場合はMotobotのような見た目の遊び心は皆無ながら、似通った機能を搭載しています。
BMWは、このプロジェクトで完全自動運転バイクを開発しようとしているわけではありません。それよりもライダーが搭乗した状態でより安定した走行を提供するため、この開発で得た技術をフィードバックしたいと考えています。そのため、自動緊急ブレーキやレーンキープといった機能も搭載しているとのこと。
とはいえ、単純に自動緊急ブレーキをバイクに搭載すれば、それが作動したときにシートベルトのある自動車とちがってライダーは前方に投げ出される格好になるでしょう。そのため自動車以上にこまやかな制動制御が、バイクの自動緊急ブレーキシステムには求められます。
BMWやヤマハといった大きなメーカーが、将来的にこうした研究課題をクリアすれば、近年人気が減少しつつあるとされるバイクの販売台数も上向くかもしれません。ちなみにBMWやヤマハとは方向性は異なるものの、ホンダもまた”転ばないバイク”を開発しており、これらの技術を総合すれば、完全自動運転バイクが開発されるのもさほど遠い話ではなさそうに思えます。