今月13日に発表と見られる新iPhoneにつき、中国の通信キャリア2社がほぼ同時に、デュアルSIM対応を予告したティザー画像を公開したと報じられています。
これらの画像を披露したのは、China Telecom(中国電信)とChina Mobile(中国移動通信)という、中国の最大手キャリアといえる企業です。いずれの広告も「iPhoneに物理的なSIMを2枚挿し」を思わせるイメージとなっています。
新iPhoneをめぐる最大の関心事の1つは「SIMを2枚同時に挿せる、デュアルSIM対応か」ということ。世界有数のスマートフォン市場であり、1台のデバイスで2つの電話番号が使えるDSDS(2枚挿しSIMの同時待ち受け)が普及している中国向けに、アップルがそろそろ投入するのではないかと噂されていました。
China Telecomのティザー画像は、新iPhoneと称するデバイスのトレイに、2枚のSIMを物理的に挿入しているもの。デュアル4G接続をサポートしているとの文言も確認できます。
そしてChina Mobileの画像は「リンゴにSIMを2枚挿し」というイメージです。もう1枚、大中小3つのリンゴにより、新iPhoneが3タイプ出ることを示唆する画像も公表されています。
これらとは別件になりますが、先週、新iPhoneと見られるデバイス2つが中国の認証機関であるTENAA(中華人民共和国工業情報化部)の認証を通過したと報じられました。この「A1920」と「A1921」の型番は、さる7月にEEC(ユーラシア経済委員会)データベースにも登録されたもの。初めの「A19」が共通している両者は、6.1インチLCDモデルの「デュアルSIM対応」と「非対応」の2バージョンではないかと推測されています。
こうした情報を総合すると「中国国内でのデュアルSIM対応iPhoneの発売」はすでに確定的とも思われます。
残る謎は、中国以外でデュアルSIM対応iPhoneが発売されるのか?という点です。台湾の新聞メディアUDNが「物理的なデュアルSIMの6.1インチLCDモデル」は中国限定販売と予測したほか、中国メディアの21st Century Business HeraldがApple SIMが使用できない地域(中国も該当する)向けのデュアルSIMモデルを予測していました。
つまり次々と現れる噂は、ほぼ全てが「2つの物理的SIMトレイを備えた、デュアルSIMモデルは中国限定販売」を指し示していることになります。
世界的に見れば、アップルは物理的なデュアルSIMより、むしろ自社のApple SIM内蔵+通常のSIMスロット1つの形態を普及したい意向と推測されます。日本を含む他の地域でのデュアルSIM対応モデル販売は、望み薄かもしれません。