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今月13日(日本時間)に発表が噂される新型iPhone 3製品それぞれの価格は、おおむね「高機能のわりに控えめな価格」が予想されています。そんな中、大手証券会社アナリストが、その予想を上回る価格になるとの顧客向けレポートを発表したと報じられています。
アナリストによる予想価格は、iPhone XS(5.8インチOLEDモデル)が999ドルから、iPhone XS Plus(6.5インチOLEDモデル)が1049ドルから、6.1インチLCDモデルが799ドルからとのこと。その根拠はアップルが顧客に大画面の新世代デバイスにより高額を支払うことを期待しているから、としています。
新型iPhoneの予想価格は諸説あるものの、ほとんどは「前年モデルと同程度」に落ち着いています。たとえば5.8インチOLEDモデル(iPhone Xの後継ポジション)は899ドル〜949ドル、6.1インチLCDモデル(iPhone 8の後継)は699ドル〜749ドルといったところ。直近のドイツ情報サイトの予測も、誤差の範囲内に収まっていました。
そうした見方に次のような異議を唱えるのが、バンクオブアメリカ・メリルリンチのアナリストWamsi Mohan氏です。
iPhoneは、コンセンサスに織り込まれた価格よりも高くなる可能性が高い。投資家は2019年モデルの価格をいくらか下げることを期待しているが、アップルはiPhonesの価格を引き続き値上げし、コンセンサスの予想を上回るはずだ
米CNBCによれば、2018年第3四半期に出荷されたiPhoneは4130万台で、平均販売価格は上昇しながらも前年同期と変わらなかったとのこと。iPhoneの平均価格を上昇させれば、単純にアップルの利潤も増加し、投資家の利益率も上がり、期待に応えられるという考えかたです。
今回の顧客向けレポートは「アップル株は今後上昇するので、買い」という趣旨です。Wamsi氏は続けて「株価は(高価格iPhoneの)発表翌日に数%下がるかもしれないが、過去にも60日後にはプラスの価格パフォーマンスを示した」として、アップル株が一時的に下がるのは買いのチャンスだとしています。
iPhoneシリーズ史上初めて1000ドルの大台に近づいたiPhone Xが成功を収めた例もあり、「高くてもiPhoneユーザーは買う」というWasmi氏の主張には一定の説得力があります。アップルが「リッチな固定客の手堅いニーズ」よりも「買い控えている庶民ユーザーの裾野を広げる」ことを優先し、手の届きやすい価格設定にしてくれるよう祈りたいところです。