1970年代半ばに発売され、アップルにとって初めてのコンピュータとなったApple Iが、9月に米ボストンのRRオークションにて出品されることが明らかとなりました。
今回出品されるのは専門家によって修理され、約8時間もエラーを起こすことなく動作した「完全稼働品」です。元々は未使用品で、基板も物理的改造を一切していないとされ、落札価格は30万ドル(約3300万円)以上と見積もられています。
Apple Iはアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏により製造・販売(開発はウォズ氏の独力)され、アップル設立のきっかけとなった製品です。
その内容はワンボードマイコンの組み立てキットで、基板を収める筐体もキーボードも含まれていません。当時の価格は666ドル66セントで、約200台が生産されたうち50〜60台が現存するとされています。
その後アップルは、Apple Iを下取りしてApple IIに乗り換えさせるセールスを実施。そこで回収されたApple Iは廃棄処分されたため、現在では希少品となったいきさつがあります。
オークションへの出品は、Apple I本体(ロジックボード)に加えて諸々のアイテムもセットになっています。当時は別売りだったアップルカセットインターフェース(ACI)やオリジナルの取扱説明書、2冊のカセットインターフェース説明書や年代物のASCIIキーボード、電源ユニットなど。
Apple Iは過去に何度も高額で落札されており、最高額は2014年10月にBonhamsオークションでの90万5000ドル(約9700万円)。元の666.66ドルから、実に136倍近くもの高値となりました。
それと比べれば、お買い得にも思えてくる30万ドル以上という見積価格。9月25日から開催されるRRオークションに、有り余るアップル愛と財力を持つ人は入札してみてもいいかもしれません。